2022年11月10日(木)

日本画革命 ~魁夷・又造ら近代日本画の旗手

現在、福田美術館は約1800点のコレクションを有しています。この度、福田コレクションに国内有数の美術収集家であった山本憲治氏の所蔵作品約200点が加わりました。明治から昭和時代に活躍した有名画家たちの傑作を含むコレクションであり、当館の近代日本画セクションがさらに充実することとなりました。本展では、それら新所蔵品の中から近代日本画壇に革命を起こした画家たちの名品をご紹介いたします。

日本絵画を一新した画家たちの力をご体感ください。

第1章:新しい日本画の境地

近代の日本画には、江戸時代までとは全く異なる価値観による「革命」がありました。伝統を継承するだけではなく、誰も表現しなかったような個性を強く発揮したものこそが素晴らしい、とする価値観の革命が起きたのです。 第1展示室では、近代日本画の先駆けとなった日本美術院を創設し、新しい日本画の創造を推し進めた岡倉天心のもと、展覧会を舞台に先陣を切った横山大観や菱田春草らの作品を展示いたします。さらに、天心の死などにより力を失っていた院展の再興に集った次世代で「院展の三羽烏」と称された安田靫彦、小林古径、前田青邨等の作品の数々をご紹介いたします。 一方、伝統を尊んできた京都においても、徳岡神泉や山口華楊などの画家が革命の旗手となりました。東京と異なる清新な趣を追求しようとした京都画壇の意欲に溢れる作品もご紹介いたします。

第2章:魁夷・又造「2人の山」

戦後の混乱がなお止まぬ、1940年代後半の日本では、伝統的な日本画を否定する「日本画滅亡論」や「日本画第二芸術論」といった新たな主張が広がっていました。日本人が、自国の芸術を問い直そうとしていたのです。本展のキーワード「日本画革命」は、この時期に始まりました。 戦後の日本画家たちが新たな活躍の場としたのは、1946年に発足した日展でした。中でも、名前に漢字の「山」が含まれる東山魁夷、杉山寧、高山辰雄の3名は「日展三山」と呼ばれ、斬新な作風で注目を集めました。三山には含まれませんでしたが、同じく「山」の字を名字に持つ加山又造も戦後を代表する才ある画家の一人です。 第2展示室では、青を基調とした象徴的かつ幻想的な作風で一世を風靡した「魁夷の革命」と、世界に通用する日本画の本質的な装飾美を追求した「又造の革命」をご紹介します。戦後という激動の時代を生き抜いた画家、魁夷・又造「2人の山」の高さのほどをご覧ください。

第3章:故郷の風景

旧山本憲治コレクションから成る本展覧会ですが、内航海運事業を創業した起業家であり美術収集家でもあった山本氏は、瀬戸内海に面した港町の広島・呉の出身。生まれ故郷である中国地方の画家の作品や、海を主題とした絵画などを多く蒐集してきました。 パノラマギャラリーでは、岡山県笠岡市に生まれ、生涯故郷の風景を描き続けた小野竹喬と、広島県出身の日本画家、奥田元宋の作品をご紹介いたします。

チラシ(PDF)

作品リスト(PDF)

展覧会概要

タイトル 日本画革命 〜魁夷・又造ら近代日本画の旗手
会期

2023年1月28日(土)~ 2023年4月9日(日)

※一部展示替えを行います
 前期:2023年1月28日(土)~3月6日(月)
 後期:2023年3月8日(水)~4月9日(日)

開館時間 10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日

毎週火曜日
3月21日(火祝)は開館

入館料

一般・大学生:1,300(1,200)円
高校生:700(600)円
小中学生:400(300)円
障がい者と介添人1名まで:700(600)円

※( )内は20名以上の団体 料金
※幼児無料


嵯峨嵐山文華館との両館共通券
一般・大学生:2,000円
高校生:1,000円
小中学生: 550円
障がい者と介添人1名まで:1,000円

福田美術館のオンラインチケットをご利用の方は、嵯峨嵐山文華館を団体割引料金で利用可能。従って、共通券と同じ金額で両館を利用することができます。