私の父である当館のオーナーは、京都に生まれ育ち、京都で起業いたしました。常日頃から、「事業を続けられたのは地元のみなさまの厚いご支援があってこそ」という想いを抱いていたところ、素晴らしい美術品と巡り合い、またこの嵐山の地にご縁をいただくことができました。そこで、「いつか京都への恩返しをしたい」という想いを実現させるべく、美術館の建設を決意したのです。
以来15年にわたり、美術品の収集に励んでまいりました。江戸時代から近代にかけての主要な画家の作品で構成されるコレクションは約1,500点。中でも京都画壇の作品には特に力を入れております。
古来、歌枕として詠まれてきた嵐山は、多くの貴族や文化人に愛され、芸術家たちがすぐれた作品を生み出す源泉でした。現在は日本有数の観光地として世界中から観光客が訪れる場所となっております。四季折々に移り変わる嵐山と清らかな大堰川の流れ、その風景に溶け込む渡月橋。このような美しい自然によって育まれた土地に、日本が誇る芸術家の作品をご覧いただける場所をつくり、日本文化の発信と継承に貢献したいと考えております。
私たちの夢は、100年続く美術館となること。いつ見ても飽きることのない嵐山の美しい景色とともに、かけがえのない芸術・文化を、後世に伝えていく存在になれるよう努めてまいります。