2025年9月29日(月)

Google Arts & Cultureとコラボレーション 新しい鑑賞体験「Moving Paintings」を世界初公開

京都・嵐山の福田美術館は、世界中のアートや文化を、誰もが、どこにいても鑑賞できるようにすることを使命とするGoogle Arts & Culture と協力し、Google の動画生成技術である Veo を福田美術館のコレクションに活用するプロジェクト「Moving Paintings」を2025年9月24日、世界で初めて公開しました。

Moving Paintings」は静止した芸術作品の鑑賞体験そのものを深く掘り下げ、テクノロジーを駆使して「絵の続き」を解き明かすことを目指しています。福田コレクションから 24 の名画に Veo を活用し、静止画である作品に動きをもたらし、作品と鑑賞者の間に新しい対話を生み出します。単に動きを加えることではなく、作品の隠された物語を解き放ち、静的な美しさを生き生きとした物語へと変容させ、これまでとは異なる鑑賞体験へのデジタルな扉を開くことを目指します。

Moving Paintings」にアクセスすると、当館所蔵の絵画24点の続きを、ARTISTICとREALISTIC、二種類のモードを使って鑑賞することができます。ARTISTIC では、オリジナルの作風に忠実に踏襲した世界観で、作品の中で展開される物語にそのまま没入できます。REALISTICでは作家が当時目にしたであろう実際の光景を想像させる、写実的な世界を提供します。どちらのモードにも、その場面に関する音声解説がついています。

紹介動画(英語)をぜひご覧ください。歌川広重の《東海道五十三次之内 庄野 白雨》の中では実際に雨が降り、旅人は先を急いでいます。木島櫻谷《細雨・落葉》に描かれた小鹿は元気いっぱいに跳ねまわり、川合玉堂《鵜飼》の中では松明に照らされた鵜が勢いよく泳いでいます。



傑作と直接向き合う特別な体験に取って代わるものは決してありませんが、これらの不朽の名作に動きという息吹を吹き込むことで、作品とその作家、そして鑑賞者の間に、さらに深いつながりを築くことができると信じています。ぜひ、この物語の世界に足を踏み入れ、より近くで作品を感じ、まったく新しい方法でアートを体験してみてください。