福田どうぶつえん
この夏、福田美術館が「福田どうぶつえん」に?!
近世以前、動物は特別な力を備た崇拝の対象であったり、長寿や子孫繁栄などのおめでたいものの象徴として、時に意味を持つ存在として好んで描かれました。江戸時代以降、円山応挙や伊藤若冲など、動物をつぶさに観察して写生し、よりリアルな表現で描く画家が現れます。 本展ではそのような近世の画家から、木島櫻谷、速水御舟、加山又造まで、明治から昭和、平成時代を生きた日本画家たちが描いた動物の姿を、そこに込められた意味や生態の解説と共にご紹介します。画家それぞれの表現の違いはもちろん、鋭い観察眼、細やかな毛描き、洗練された色彩も見どころです。
第1章:猛獣とはたらく動物
第1章の始まりは、今にも咆哮(ほうこう)が聞こえてきそうな猛獣コーナーです。トラの絵を得意とした岐阜県出身の近代画家・大橋翠石は、パリ万博、セントルイス万博で金牌を獲得するなど世界的な評価を得ていたことでも知られます。大橋兄弟の写実に迫る作品の生命力に注目です。
また、実際のトラを目にすることができなかった江戸時代に、中国から伝わった絵や毛皮だけで想像力を膨らませて描かれた猛虎図などとも是非見比べてみてください。
猛獣コーナーの次は「はたらくどうぶつ」の作品が並びます。畑を耕したり、人や物を運ぶことができるウシやウマは、人々の生活に欠かせない存在でした。シカやイノシシなど日本の野山に棲む身近な動物たちの生態や、画家によって描き分けられた表現も見どころです。
第2章:ツルツル、ニョロニョロ、ふわふわっ!
第2章の前半は、哺乳類のコウモリ、甲殻類のカニ、爬虫類のヘビなどの動物画を、後半は、嵐山モンキーパークでもお馴染みのニホンザル、ウサギやリスなどの小動物を描いた作品を展示します。「ツルツル」とした質感、「ニョロニョロ」と動きのある表現、「ふわふわ」とした毛など、画家たちの細やかな描写も注目ポイントです。
第3章:もふもふ可愛いわんにゃんたち
イヌやネコは愛玩動物として身近な動物です。多くの画家たちも様々な品種のイヌやネコを丁寧に観察し、描いてきました。もふもふの仔犬、凛とした大型犬、毛づくろいをするネコなど、その愛らしい姿に画家の創作意欲も搔き立てられたことでしょう。毛並みや表情など身近な動物だからこそ親近感が湧く、画家たちが捉えた「わんにゃん」の姿に注目です。点景としてイヌが登場している後期の展示作品、渡辺崋山《于公高門図》は重要文化財でもあります。
2階展示室とパノラマギャラリーにて、それぞれ動物画をお楽しみください。
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展覧会概要
タイトル | 福田どうぶつえん |
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会期 |
2024年7月13日(土)~2024年 10月1日(火) |
開館時間 | 10:00〜17:00(最終入館 16:30) |
休館日 |
8月27日(火)展示替え |
場所 |
福田美術館 (京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16) |
入館料 |
一般・大学生:1,500(1,400)円 ※( )内は20名以上の団体 料金
※福田美術館のオンラインチケットをご利用の方は、嵯峨嵐山文華館を団体割引料金で利用可能。従って、共通券と同じ金額で両館を利用することができます。オンラインチケットには利用日に制限がありますが、9:30から入れる朝活チケットもございます。ぜひご利用ください。 |
後援 | 京都府 京都市 京都市教育委員会 |