2020年8月8日(土)

悲運の画家たち

開館1周年を記念して福美コレクションの名品が勢揃い

福田美術館は今年10月で開館1周年を迎えました。
1周年を記念して開催される企画展「悲運の画家たち」では、近年人気の高い長沢芦雪や重要文化財の渡辺崋山の作品、木島櫻谷の大作、速水御舟の名品など、名だたる画家たちによる福田コレクション選りすぐりの作品を展示いたします。
ゴッホやモディリアーニのように、悲運の人生を創作の糧に変え、素晴らしい作品を生み出す画家が、日本にも沢山います。家族を失った苦しみ、病気や怪我といった逆境にも負けず画業に専念した画家たちの作品や、絵に描かれた悲劇の主人公たち…しかし、決して暗く重苦しい作品が並んでいるわけではありません。吸い込まれるような色彩や神に入る(しんにいる)筆致など、美しい輝きを放つものばかりです。

福田美術館と嵯峨嵐山文華館、初めての共同開催

本展は同じ嵯峨嵐山に位置する「嵯峨嵐山文華館」と二館共同で企画展を開催いたします。


第一会場 「逆境にも負けず」

第一会場となる福田美術館では、悲運に見舞われた著名な画家の作品をはじめ、悲劇的な場面を画題にした作品も取り上げます。福田美術館の展示作品数は86点。今回はそのうちの約30点が初出作品となります。東山魁夷「朝光」、鏑木清方「西鶴五人女おさん」、木村武山の屏風絵「鶴」や橋本雅邦「高士清遊」。さらにフランスの悲運の画家モーリス・ユトリロによる「ヴェシネのサント・ポーリーヌ教会」などが初お目見えです。

◆〈第1章〉悲運の近代画家たち
ここでは、明治・⼤正・昭和時代に活躍した画家のうち、市電にひかれて左⾜を切断した速⽔御⾈、電⾞にはねられて命を落とした⽊島櫻⾕、最愛の⼥性を亡くした後も⽣涯制作に励んだ⽵久夢⼆など、未曾有の悲劇に⾒舞われた画家たちが、悲しい体験の前後に制作した迫真の⽇本画をご紹介いたします。
また、⾚⼦を由⽐ヶ浜に沈められた《静御前》(上村松園筆)、⼤⽕事から逃げ惑う⼈々を描いた《久松町の⼤⽕図》(⼩林清親筆)など、悲劇のドラマを描いた作品も同時に取り上げます。
さらに、パノラマギャラリーでは速⽔御⾈、川端⿓⼦らの額装作品とともに、幼少期から飲酒におぼれたというユトリロの作品も展⽰し、芸術の都のフランス・パリで起こった画家の悲運も取り上げます。

◆〈第2章〉悲運の近世画家たち
第2章では、⽗親とともに流罪になった深江芦⾈、毒殺説がある⻑沢芦雪、流罪ののち切腹した渡辺崋⼭など、江⼾時代に不運な経験をした画家たちをご紹介。普段とは少し違う⾓度から作品を鑑賞し、画家の⼈⽣を共有することが、作品の本質を⾒抜く鍵となるかもしれません。

福田美術館の作品リストはこちら

↑上記PDFの2ページめのQRコードから音声ガイドをお聴きいただけます(開催期間より当展覧会に切り替わります)


第二会場 「忘却にも負けず」

第二会場の嵯峨嵐⼭⽂華館では、第⼀会場同様⼈⽣の悲劇に⾒舞われた岸⽥劉⽣ら近代画家の作品に加え、かつては⾼く評価されていたにも関わらず、現在⼀般的にはあまり知られていないという悲運に⾒舞われた画家たちにフォーカス。岸駒や、五姓⽥芳柳、⼭元春挙など、個性溢れる画家の秀作をご紹介します。あなただけの知られざる「推し画家」を⾒つけてみませんか。

嵯峨嵐山文華館展覧会「悲運の画家たち」サイトへ

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展覧会概要

主催福田美術館・嵯峨嵐山文華館・京都新聞

タイトル 悲運の画家たち
会期 2020年10月24日(土)~  2021年1月11日(月・祝)
前期:2020年10月24日(土)~ 11月30日(月)
後期:2020年12月2日(水)~ 2021年1月11日(月・祝)
開館時間 10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日 火曜(11/3は開館、11/4は休館)、年末年始(12/29〜1/1)
※11/15(日)・11/21(土)は嵯峨嵐山文華館が臨時休館となります。
両館をご覧になりたい方はご注意下さい
入館料

一般・大学生:1,300(1,200)円
高校生:700(600)円
小中学生:400(300)円
障がい者と介添人1名まで:700(600)円

嵯峨嵐山文華館両館共通券
一般・大学生2,000円
高校生   1,000円
小中学生   550円
障がい者と介添人1名まで 1,000円

※( )内は20名以上の団体 料金
※幼児無料