2026年7月1日(水)

愛のカタチ ー幻の春画《稚児草紙》公開ー

愛と欲望、人が人を求める切実な感情ーー 画家たちはそれを「春画」という形で描き出しました。平安時代にはすでに存在していたと考えられています。
本展で初めて一般公開される《稚児草紙》は、14世紀初めに制作された稚児と僧侶らとの親密な関係を詞書と共に記した絵巻で、模写や書籍等を通じて実在することだけが知られていた、幻の春画とされています。

また、男女の営みを描いた日本最古の春画の一つである《小柴垣草紙》を江戸時代の絵師・谷文晁が写した巻物も併せて展示。さらに月岡雪鼎ら が手掛けた肉筆による春画、そして葛飾北斎の傑作《波千鳥》春画に加え、上村松園や鏑木清方らが描いた「」にまつわる作品も展示します。

第1章 描かれた愛のカタチ

身を焦がす慕情、引き裂かれる苦悩、親と子の絆——物語に登場する愛の諸相は、画家たちにとって尽きることのない着想の源泉となってきました。
第1章では、平安の世に生まれた『源氏物語』から浄瑠璃、浮世草子を主題とした作品まで、愛にまつわる物語を描いた作品を展示いたします。27年ぶりに公開される室町時代の《源氏物語図扇面屏風》をはじめ、上村松園や鏑木清方らが絵筆で綴った、心震わせる恋情をご堪能ください。
一方で、愛と美が交錯する特別な世界である江戸の遊里の女性たちの美人画をご紹介します。華やかな装い、優美で凛とした表情の陰に潜む儚さや内に秘めた情念が、見る者の想像をかきたてます。

第2章:幻の春画《稚児草紙》公開

人が愛を交わす姿を描いた春画は、平安時代にはすでに存在していたと考えられています。初期の春画は貴族階級の愛玩物という性格が強いものでしたが、江戸時代になると、庶民にも広く親しまれるようになります。
明治以降の近代化の中では「わいせつ」と見なされましたが、欧米では高い評価を受け、現代においても、2013年から2014年にかけて大英博物館で開催された春画展は、大きな話題となりました。
ここでは、2025年に新たに福田コレクションに加わった春画《稚児草紙》(展示部分の巻き替えあり)を初めて公開します。長らく醍醐寺で保管されてきたこの“幻の作品”は、14世紀初めに制作されたもので、歴史的にも極めて高い価値を有しています。
そのほか、京都・嵐山の野宮神社にゆかりのある物語を描いた《小柴垣草紙》(江戸時代・模本)や、江戸時代から明治時代の画家による生き生きとした肉筆春画をご紹介いたします。

第3章 葛飾北斎《浪千鳥》

世界で最も有名な日本人の一人、葛飾北斎。
北斎が70代で制作した《浪千鳥》は、彼の春画における代表作という枠を超え、江戸時代の春画の中でも最高峰に位置づけられる作品です。本作は北斎が描いた下絵の輪郭線となる「主版(おもはん)」に、手作業で濃い彩色を施しています。さらに背景には、雲母(うんも)の粉を用いた雲母摺(きらず)りによって光沢を加えています。
当時の春画の多くに見られるような、周囲の状況を説明する要素は一切省き、画面いっぱいに男女の身体を配することで、北斎は男女の情交を際立たせました。晩年になってもなお衰えることない北斎の画技をご覧ください。

※本展は18歳未満の方は入館できません。

展覧会概要

タイトル 愛のカタチ ー幻の春画《稚児草紙》公開ー
作品リスト 後日アップいたします
会期

2026年9月19日(土)~ 2027年 1月17日(日)

※毎週火曜日・日曜日は「喋っていいDAY」

開館時間  10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日 

設備点検:10/20(火)、12/15(火) 
年末年始:12/30(水) – 1/1(金) 

場所

福田美術館 (京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)

入館料

一般・大学生:1,500(1,400)円
高校生:900(800)円
障がい者と介添人1名まで:各900(800)円

※本展は18歳未満の方は入館できません。顔写真付きの身分証明書のご提示を求めることがあります。
※( )内は20名以上の団体料金


嵯峨嵐山文華館(「絵で知る、もっと楽しむ京都」展)との二館共通券
一般・大学生:2,300円
高校生:1,300円
障がい者と介添人1名まで:各1,300円

福田美術館のオンラインチケットをご利用の方は、嵯峨嵐山文華館を団体割引料金で利用可能。従って、共通券と同じ金額で両館を利用することができます。オンラインチケットには、利用日に制限がありますが、9:30から入れる朝活チケットもございます。ぜひご利用ください。

後援   京都府 京都市 京都市教育委員会