昭和100年記念 あの頃は ~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~
1926年から1989年までの64年間にわたる昭和という時代に対する思いは人それぞれでしょう。戦争と復興、高度経済成長、バブル景気――苦しみも安らぎも、貧しさも豊かさも抱えながら、激動と変革が交錯した、日本にとってまさに特別な時代でした。政治や経済と共に、美術もまた、それに直面せざるを得ませんでした。
2026年は、昭和元年から数えて満100年となります。この記念すべきタイミングを迎えて、当館では昭和の64年間に描かれた作品、100点を選び抜きました。作品を通して、慕わしくも懐かしく、意欲と熱気に満ちたあの特別な時代の風が、嵐山に吹き渡ります。
第1章 昭和の風 ~戦前・戦中~
昭和という時代の風を受けて生き抜いてきた画家たち。その風向きは戦前と戦中とでは、相当に趣を異にしています。
戦前は日本人の暮らしの様式がまだ和風で、床の間や座敷を飾るために、掛軸や屏風が求められていました。慶事などの特別な機会に、特別な画帖をあつらえて贈ることなども、しばしば行われた時代です。

一方、戦中には日本の勝利を願い、富士山や神社、八咫烏のような信仰の対象が数多く描かれ、芸術にも戦争の影響が色濃く表れるようになりました。

第2章 昭和の風~戦後~
戦後の日本画には、戦前の画家たちが思ってもいなかった逆風が襲いかかりました。「花鳥風月のような、旧来の価値観を払拭できていなかった日本画のようなものを珍重していたから戦争に敗けたのだ」という「日本画滅亡論」が声高に唱えられたのです。
青年、壮年の画家たちは、この逆風に立ち向かい、多様な色彩を持つ新岩絵具を塗り重ねて重厚な色調を駆使し、東山魁夷は欧州風景を、杉山寧はスフィンクスを、徳岡神泉や髙山辰雄は心象を託した花鳥や人物を表現して、画壇に新たな風を吹き込みました。琳派などの伝統美に着目した加山又造も、自ら新しい風を吹かせ、時代の旗手となった1人です。

第3章 池田遙邨と冨田渓仙 ~嵐山にも昭和の風が吹く~
パノラマギャラリーでは、窓外に広がる嵐山の風光を愛した昭和の2人の画家、池田遙邨(1895~1988)と冨田渓仙(1879~1936)による作品で、あの頃をご紹介します。

展覧会概要
| タイトル | あの頃は ―栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風― |
|---|---|
| 作品リスト | 後日アップいたします |
| 会期 |
2026年1月31日(土)~ 2026年 4月12日(日) |
| 開館時間 | 10:00〜17:00(最終入館 16:30) |
| 休館日 |
設備点検:2/17(火)、3/17(火) |
| 場所 |
福田美術館 (京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16) |
| 入館料 |
一般・大学生:1,500(1,400)円 ※( )内は20名以上の団体 料金
※福田美術館のオンラインチケットをご利用の方は、嵯峨嵐山文華館を団体割引料金で利用可能。従って、共通券と同じ金額で両館を利用することができます。オンラインチケットには、利用日に制限がありますが、9:30から入れる朝活チケットもございます。ぜひご利用ください。 |
| 後援 | 京都府 京都市 京都市教育委員会 |
